学生の地域参加・政治参加をさぐる

今日のお客さんは100名ほど。
学生はそのうちの30名くらいといった感じでした。


第一部 基調講演

YOSAKOIソーラン祭り組織委員会専務理事 長谷川 岳 氏

まずは基調講演から。長谷川さんのお話で面白いと感じたのは、YOSAKOIの運営方法のお話です。組織論や経営学的な発想を前提にを運営されており祭りが8年間でこれだけ大きくなったのもなるほどと思いました。簡単にご紹介します。

YOSAKOIソーランでは、人が集まる祭りには、良いシステムがあるという方針のもと、全国各地の祭りを調べたそうです。

1、人を集めるシステム
・子供会のチームには20万円の補助金を出す。
・会場を地下鉄の駅から近い、人の集まりやすい場所を選ぶ。
・商工会など町づくりを進めている組織などと連携し、多くの世代での参加意識を共有する。(五回目から)

注 これは具体的にグラフを使っての説明でした。
第一回 10チーム 1.000人 観客20万人
第四回 48チーム 4.800人 観客76万人
第五回 108チーム 10.000 観客107万人
第八回 333チーム 34.000 観客168万人

2、組織を長期的に維持するシステム
・参加費を徴収(企業・個人)
・広報誌の発行(一部100円)
・グッズ関連収入
・桟敷席(6.000席を2日間で5回転・4時間券)の運営

2億円規模の予算で、自己資金80%というのはすごいと思います。いろいろと議論はあると思いますが、安定した資金調達ができる仕組みをがあってこそのYOSAKOIです。とても参考になりました。

長谷川さんは、もっとアクが強い方を想像していたのですが、実際はさわやかな印象で、起業家的発想と、プレゼンのうまさを見てもただものではないなと感じました。


第二部・パネルディスカッション

「学生の地域参加・政治参加をさぐる」

今回の論点は、学生の地域参加というテーマのもと、よさこいなどの例、また大学の自治会などの例を挙げながら若者の参加意識についてディスカッションが進められました。

まず参加意識の高さという点から、よさこいを例に話をスタートしました。よさこいに関して言えば、若者はお金を払ってまで参加しているわけでかなり参加意識が高いと言えます。

参加意識を高めるために長谷川さん曰く
1、参加に対する垣根が低いこと。
2、奥が深いものであること。
3、短期的に変化が感じられること。
の3つをポイントを挙げられました。

個人的に付け加えるなら、1の垣根が低いという意味は、誰でも参加きるという意味と同時に、一度その目で見たら、それが何なのかすぐ理解できる「わかりやすさ」、2の奥の深さには、自分でアレンジできるという「創造性」もあると思います。

もちろんよさこいの参加意識には、出会いであったり、エネルギーの発散であったり、祭りの本来のパワーも重要な要素になっています。

続いて自治会の例に移ったのですが、高知大生の自治会への参加意識は残念ながら非常に低く、変わり者扱いされてしまうというような現状が紹介されました。

自治会の選挙の話から、地域参加・政治参加というように、話が進んでいったのですが、いろいろな意見がでました。

特に橋本知事、宮城県知事浅野さんお話の中でこれからのヒントになるお話が聞けましたのでご報告させていただきます。

政治参加というテーマに対し、橋本知事からは、もっと学生が政治を身近に感じられるよう、政治の現場にインターンを導入してはという内容でした。

FUSEの方で、本格的にインターンを定着させる活動を始めようとしているところだったのでとても良いヒントになりました。

東京では国会議員インターン(国会議員の仕事の現場に同行したり、事務所の仕事などをする)などがあり、一部で学生と政治の接点をという動きがあります。

国会議員インターン・ホームページ
http://www.net-w.com/outpost/giin/

高知県でも今年から、工科大を中心に企業や県庁などでインターンが始まっており、いろいろな分野に学生が参加する窓口ができつつあります。議会でのインターンも不可能ではないと思います。

続いて浅野知事から地域参加というテーマに対し、いろいろな分野のNPOを窓口にしてはという話がでました。地域参加という面では、なかなか一人では力を発揮できないことが多いですが、これからどんどんNPOが定着し、NPO自体が身近なものになれば自分のやりたい・興味のある分野のNPOに参加することで地域参加がより実現しやすくなるという内容でした。

最後にまとめとして、橋本知事から、参加ぐせをつけることが必要なのでは ないかという意見がでました。現在はいろいろなテーマ、問題がたくさんあり、いろいろな催しもあります。テーマをあまり絞りすぎずできるだけ多く参加すると同時に、いろいろな人を巻き込み、参加ぐせのついた人を多く作り出すことが、地域参加・政治参加の充実につながるのではと考えました。

依光 晃一郎