Last Update:00/11/05
土佐の里物語

『龍馬発掘大作戦』応募用紙
ヤングベンチャー・ビジネスプラン・コンテスト事務局 御中

事業名称            土佐の里物語
事業概要            〔100字程度で簡潔に     記入してください〕 ・高知県の歴史、文化、情熱を全国に伝道する!
 「旅行代理店」 高知の観光地・旅館と連携し、県外から人を!
 「商社」 高知県の特産品を県外に売っていく。
 「なつかしさ」 高知に対する思いを、高知の発展につなげる。
・高知県ファンのデータベースを独自に構築。
応募の動機            〔100字程度で簡潔に   記入してください〕 私は高知が好きです。しかし世間では今、少子高齢化、過疎化、失業率、高知の活力がなくなってきていると言います。非常に残念です・・・。

また高知を離れた時に、高知のことを知らない人に出会います。私は自分の生まれ故郷をもっと県外の人に誇りたいと思いました。

ビジネスプラン(事業計画書)

1 事業計画の名称〔参加申込書の「事業名称」をそのまま記入してください〕
土佐の里物語

2 事業計画の内容〔参加申込書の「事業概要」を詳細に記入してください〕
 高知県出身者および高知に興味を持つ人のデータベースを全国に構築します。そしてそのデータベースをもとにして、高知県の観光事業者や特産品販売業者。および県外に出店している高知に関連する企業(土佐料理など)の営業部門をサポートしようという事業です。弊社はその実績により手数料を頂きます。また将来は独自の商品の販売も視野に入れています。

高知県に思い入れのある人のデータベース作成がコア・コンピタンスです。

会員は3つの区分に分けます。

 第一会員はメールアドレスの登録のみです。
メールでの情報提供を行ないます。高知の特産品情報。観光地宿泊割引情報などをメールで配信します。また野球のキャンプだより、桜だより、初鰹、鮎・アメゴなど季節の情報。またなんでもない高知の暮らし向きのことなどを発信していきます。高知への思いを喚起する情報を提供し、そこから高知の商品販売に結び付けます。

 第二会員はメールアドレスに加え、住所・会員番号の登録をお願いします。このことでDM・会員証の発送が可能になります。県内に入るための空港・港・高速道路のインターチェンジ(道の駅)などでインターネット情報網を使い、高知の観光情報や宿舎の優先予約を行ないます。
DMでの情報提供はもちろん、高知の特産品を送り、モニターにもなってもらうことも考えています。ポイントが溜まると、高知への旅行券などと交換できます。

 第三会員はキャッシュカード機能を追加します。これからのキャッシュレス時代を見越し、銀行と早くから提携します。このことで商品の決済がより簡単になります。またそのことで手軽にインターネット上で高知の商品が買えるようになります。

3 事業計画が必要とされる社会的背景を説明してください。(顧客のメリット)
 工業化に遅れた高知ですが、その分高知県は全国的にも豊かな自然を残す結果となりました。高知にしかないもの、高知にしかできないことが色々と注目されています。インターネットなどの情報技術の進歩、また交通網の整備により、地理的なハンディは小さくなってきました。高知県は全国に先駆けてITに関する設備投資は進んでいます。

 高知の産業のこれからの目標は、全国・世界を相手にした商売だと思います。
 そのための第一歩は、高知のファン・パートナーを作り出すことだと思います。

 高知県ファンにより構成される市場を作り出すという意味です。この市場は、高知県企業にとって他県にはない強みになります。市場の参加者が見えるため、よりターゲットを絞り込み、よりニーズにマッチした商品開発が行なえるのです。

 また市場に参加する人から、高知の商品の他県商品に比べたメリット・デメリットを返してもらい、独り善がりになりがちな商品開発に明確なビジョンを生み出します。

4 収益・利益を上げる仕組みを説明してください。
収益を上げる形態は3ステップを考えています。

<第一ステップ>
 高知県ファンによるデータベースを構築することで観光地や特産品販売の営業をサポートし、弊社が獲得した顧客実績をもとに手数料を頂きます。例として、高知の特産品を販売している会社をサポートする場合は、データベースの中から興味を持ちそうな年代などを抽出し、ピンポイントでメールやDMを発送します。ここではインターネットが使える層と、あまり使えない層を分けて考えます。

 インターネットが使える層には、弊社のホームページを有意義に利用してもらおうと考えています。弊社のホームページは、高知県に関するポータルサイトを目指し、高知県に関する色々な情報を提供していきます。その中でメールニュースを登録できるようにします。メールニュースの内容は、高知の新商品情報。安い旅館情報。温泉情報。取れたて野菜情報など・・・。ここで登録してくれた人はそのまま購買意欲のある消費者となります。

 インターネットが使えない層は、高知県の絵葉書というように季節ごとにお葉書を送っていきます。このお葉書には高知の紅葉を同封したり、よさこいの写真を同封したり、小学生の絵日記を同封したりと、高知への気持ちを高める工夫をしていきます。イメージは「馬路村」の戦略です。

 このようにインターネット・故郷からのお葉書により、割引券の発行代行や優先予約などを行い、商品販売のサポートを行なっていきます。データベースそのものを切り売りしていくビジネスモデルの段階です。

<第二ステップ>
 第一ステップはデータベースを基にした仲介業でしたが、この段階では弊社も商品を販売していきます。我々は高知県では当たり前で商品にならないと思われている商品を発掘し、都会で売っていきます。

 例えば「りゅうきゅう」という野菜があります。高知県では珍しくない野菜ですが、県外では全くと言って良いほど食べられていません。弊社はそんな商品の調理方法なども情報発信していきます。また情報発信だけでなく、実際に「りゅうきゅう」を食べてもらう機会を作ることも考えています。

 現在東京の吉祥寺に高知県のアンテナショップがありますが、そういう場所で「りゅうきゅう」を使った高知のお料理教室を主宰し、「りゅうきゅう」をPRします。また「りゅうきゅう」が美味しく食べられる土佐料理の料亭などを紹介することも考えています。

 また物だけでなく高知県独自の野球キャンプだより、桜だより、初鰹、鮎・アメゴなど地域情報も充実させ、新聞ではあまり伝えないような情報を有料で提供します。

 ネット上では採算が取れにくい有機野菜の直販ですが、弊社は高知県ファンに特化しているため、農家の都合に合わせた販売も可能だと思っています。具体的には消費者が欲しい農産物を作っている農家に前もって代金を支払っておき、収穫した時に発送すると言うものです。もちろん弊社は仲介です。高知の無農薬の野菜がいつでも良いから欲しいと言う大変コアな顧客のデータベースを持てる弊社にしかできない販売方法です。文旦には手ごたえがあります。

<第三ステップ>
 第三ステップは、完全に採算が取れるデータベースを構築した段階として書き進めます。

 ここでは県の観光課や市町村独自でやっているPRとの連携を考えています。高知県内の観光に関するパンフレットは、おそらくそれぞれが独自に作成しているため、様式もコンセプトも市町村ごとに違うのが普通です。もっとコンセプトなど連携すればインパクトも倍増するという思いを持っています。費用対効果を考え、重点投資すべきところに多くの資金を投資することもできるのです。

 弊社のアイディアでは、料理番組を製作しているテレビ局との連携も可能だと考えています。双方にメリットがある形が実現できると思います。
また進んで個人的な意見としては、県の観光課は県から離れるべきだと思います。そして民間の企画会社と連携を深め、インパクトのあるPRを目指すのです。もしそうなったとすれば、我々は県から独立した観光課と合併し、さらにデータベースを管理するNPO法人と、企画を担当する企画会社に分割したいと思います。企画会社は何社か作り、競争して常に新しいものが生まれるようにしたいと思います。NPO法人とするのは、民間と行政の間という意味で、別のNPOとも競争し、会計も一般に公開して最も効率の良い経営ができるようにするためです。またデータベースの管理を個人に悪用されないように県民全てでチェックできるようにします。

<データベースを構築するキラーアプリケーション>
 さて、ここまでデータベースを確立することを前提に話を進めていました。しかし本当に難しいのはこのデータベースの確立です。弊社はデータベース作成の方法論としてよさこい祭りを活用しようと思っています。

 よさこいは今、全国各地に広がっています。その勢いは年々強まっています。また北海道が元祖と思っている県外の方は多数おり、それに対し歯ぎしりしている高知県出身者もいます。我々は事業の立ち上げとしてまず「全国縦断よさこいツアー」を企画します。これが学生ベンチャー企業である弊社にしかできないキラーアプリケーションです。

 全国各地で行なわれている「よさこい」ですが、そのお祭りを生み出したのは学生の力であると言えます。また我々と同世代の学生チームが全国各地で活躍し、熱狂しています。彼らと交流を持ち、ネットワークを構築してデータベース化できるのは我々だけと自負しています。

 さてこの「全国縦断よさこいツアー」ですが、全国全てのよさこい祭りに参加しようという企画です。このようなビジョンを持った踊り子チームはいまだかつて在りません。お金も時間も体力もいるからです。しかし一方でこれを成し遂げれば注目度、知名度は確実に上がります。インターネットで一番重要なものは、その存在を知ってもらうと言うことです。このことから「全国縦断よさこいツアー」は、知名度とデータベース構築の一石二鳥の戦術なのです。

 まず資金面です。よさこいには多大なお金が必要です。このお金は企業協賛と寄付金で賄おうと思います。企業協賛は全国各地で協賛企業の商品をPRするということがミソです。全国各地で取材を受けると思いますが、その際法被に協賛企業の広告を縫いこみPRします。またビラ、サンプルの配布も可能です。そういうことを売りにお金を集めようと思います。また寄付金ですが、お祭りのある地域に住む高知県出身者のご協力を得られるように考えています。飲み物やお弁当のディスカウントなど現物での寄付は得やすいと思います。

 次に踊り子の確保ですが、高知の踊り子チームの協力とお祭りのある地域の方を巻き込みます。高知の踊り子チームには、自分のチームの法被を使ってもらいます。また地域ごとに、よさこいを踊りたいという方は多いと思います。高知県で大学生活を送った方なども含めてです。踊りの振り付け・音楽はインターネットでダウンロードか、ビデオで取り寄せてもらい前もって個人で練習できる体制を作ります。集合場所・全体リハーサルの時間もHP上に詳しくアップします。こうして各地の踊り子の数を確保します。

 本隊の役割は、各地のお祭りでの連絡係と集合場所の確保。また協賛の入った統一の法被を揃えます。その土地にいる学生との連携を強め、協力をしてもらいます。このことが我々にしか実現できない理由です。

5 マーケット・顧客
(1)目標とする市場(顧客層)を説明してください。

第1層 よさこいに関わる人、高知出身で県外に住んでいる人。
第2層 高知に興味を持った人。龍馬ファン。地酒ファンなど。
第3層 高知の良さを伝えればファンになる人。

大きな目標は、第3層を第2層にすることです。
高知県企業のマーケットを作り出すということです。

(2)その市場規模はどの程度ありますか?

高知県の人口が今約80万人です。
また家族が高知という県外居住者の数はその数倍です。

よさこい祭りの観客動員数高知   1988年 よさこい祭り     踊り子1万4千人
北海道  第8回YOSAKOIソーラン祭り 踊り子3万4千人
観客動員数は193万5千人

全国のよさこい祭り 32都道府県47箇所で行なわれています。

(3)その市場の成長性・将来性はどうですか?

 弊社の使命は、高知県のイメージアップを目指し、高知県に興味を持つ人を開拓して行くことです。そういう意味では、無限の可能性があります。

 また高知県は昨今の起業家ブームなどで坂本龍馬が注目されたり、最後の清流と言われる四万十川がマスコミに取り上げられたりと今が旬であると思います。色々な角度で高知県をPRしデータベースを充実させることができると思います。

 そしてよさこいに関しては、若者の間で広がるダンスブームとも相まって今後も知名度を上げていくことが予想されます。

(4)その市場へのアクセス方法を説明してください。(販売方法・PR方法など)

 PR方法ですが、まずは「全国縦断よさこいツアー」で圧倒的な知名度を作ります。若者のパワー不足が言われていますが、よさこいで全国縦断することで若者の力を見直す題材にしてもらい、方面に取り上げていただくことが可能だと思います。現時点で考えて大きなものは「よさこい」に対するこだわりです。

 よさこいは高知が元祖であるという気概は高知県民全てが持っています。しかしよさこい=高知と言うイメージはまだまだ薄いです。 弊社は、その苛立ちを代弁する形で協力者、データベースを獲得していくつもりです。

 もちろんデータベース構築後のフォロー。口コミでの拡大も地道に行なっていきます。高知への人一倍のこだわり、プライドがPRのための武器です。とにかく高知県にこだわりを持つ人の気持ちを裏切らないと言うことが弊社のPRの核です。

6 ライバル(類似又は競合する製品・サービス)は存在しますか?
 Yesの場合
(1)ライバルと比較して優位であるポイントは何ですか?(新規性・独創性など)

・データベースの構築でNO.1でありつづけることが弊社唯一の優位性です。 現時点で特定のライバルは想定していませんが、土佐人の心意気を裏切ることを非常に恐れています。

・我々は学生起業家です。これは世間に対して注目を集めやすいと言えます。

 弊社のビジネスモデルは、よさこい全国縦断でデータベースを作るというものです。
 そのような体力と勢いが必要なものは我々学生しかできないと思います。

 またよさこいが行なわれている全国の各地域は、その多くが学生主体で運営されています。学生同士ということで全国縦断に協力も得やすい体勢です。実際に、京都・大阪・北海道など仲の良いチームは多数あります。

(2)その優位性を持続・継続させる手段・方法を説明してください。

とにかく土佐人の気持ちを裏切らない。信用を失わないということです。

 また土佐人であることのアイデンティティーに対し、何かプラスになる商品、戦略を考えていくことが優位性を維持していくことに繋がると思います。

 具体的には、弊社の力で高知の特産品の全国シェアを増やしたり、全国に対し高知の観光地をPRすることだと思います。JR東海が京都をPRしていましたが、弊社の目標とするイメージです。

(3)ライバルと比較して弱点は何ですか?

・データベースが商売になるのかという点。
・ータベースを簡単に構築できるのかという点。
・どう儲けるかの数的裏付けのある具体的説明が弱い。

(4)その弱点を解決する手段・方法を説明してください。

 やはり魅力的なコンテンツを提供することだと思います。
 より便利な観光地の割引券。旅館の斡旋。
 また手軽で簡単な特産品販売。
 高知県に住んでいるかのような気分にさせる情報提供などです。

 Noの場合 
(1)新規性・潜在需要を説明してください

7 事業計画の実現性
(1)事業計画が実現可能な理由を説明してください。
(技術的根拠、知的財産権の所有状況、申請者等の能力・資格など)

 まずは私個人の高知に対する思い入れです。誰にも負けない自信があります。
その一方で客観的な評価にも心がけています。高知の人が高知で考える発想と、都会の人が高知に対して持っている想像のギャップについてです。見落とされがちですがとても重要です。

 また私は高知県が東京に出店したアンテナショップ「高知屋」でバイトの経験があり、立ち上げに関わってきました。そして何より東京に住む高知県出身者の気持ちを知り、同時に高知の特産品が東京でどのように評価されていたかも肌で感じました。そういう意味で高知をPRする事に関し、人よりも優位性を持っていると思います。

 技術的な能力では、インターネットについての優位性と弱点を、ネットベンチャー業界の学生社長などから学び、自分自身でもよりユーザーにとって使いやすいHPを作り出す自信があります。

(2)実現するための問題点は何ですか?

 知名度と信用をどう得るかという問題です。データベースは個人情報です。それを扱うわけですから信用は絶対に大切なものです。技術的な問題は色々な対策があると思いますが、いかに世間からの信用を得るかということは切実な問題です。

 またどう儲けるかという数的裏付けに乏しく、ビジネスモデルを説明することが難しいと思います。

(3)問題点を解決するための手段・方法を説明してください。

信用を得るにはやはり、きめ細やかなサービスで地道に努力をして行くことだと思います。

 レスポンスにはとにかく気を使っていきたいと思います。また知名度と言う面では、誰もがリスクを感じてやらないことを達成することだと考えています。その1つの方法論として「よさこい全国縦断」があるのですが、これを成功させれば道は広がっていくと思います。

 ビジネスモデルの数的裏づけですが、今後も色々な方に企画を叩いてもらうことだと思います。

8 リスク管理
(1)事業を継続していくうえでのリスクを説明してください。

 データ-ベースに関するセキュリティーへの投資です。信用を得るためには、100%安心していただけるセキュリティーを実現せねばなりません。
これに対する投資は莫大なものになると思います。

 また人材の確保も重要です。高知に対する愛着を感じている仲間と仕事ができればと思います。そして私の能力です。私よりも有能な人が協力してくれることになれば、NO.1になってもらい、私はサポートに回りたいと思います。どちらかと言えばサポートで力を発揮できるタイプではと自己分析しています。

(2)そのリスクを回避、軽減する手段・方法を説明してください。

 1つは県or大企業との連携だと思います。データベースはとにかく信用が命です。もしくは世界一のセキュリティー会社との提携を考えます。

 私は企業形態にはあまり頓着していないので、信用を得るためにはNPOも視野に入れています。1つの案としてデータベースを管理するNPOと、企画を担当する企画会社に分割し、その後にNPOを県と連携させる形を考えています。

9 資金計画
@事業化のために必要な資金はどの程度を想定していますか?

省略・・・

A「借入資金」はどこから調達する計画ですか?

 個人や企業からお金を集めようと考えています。銀行からの借入も将来的には視野に入れていますが、基本的には私たちの事業について理解していただけるよう、サービス向上について努力することが前提であると思います。また資金を集められないのであればプランに問題があると考えています。

10 収支計画(予測)
省略・・・

11 現在の進捗状況と今後の展開予定・目標
 当面の目標は、データベースの構築を目指し、よさこい全国縦断企画を進めたいと思います。この企画でどれだけ知名度と信用が得られるかが、弊社の今後を占います。このよさこい全国縦断企画に関してはある程度の自身を持っています。マスコミの方を使って注目を集めること、企業協賛の手ごたえともにあり、すぐに取り掛かることができます。

 このプランをやるかやらないかは、11月の結果待ちです。とにかくそれに向けて関東、関西の学生よさこいチームとの連携強化。またマーケティングも行なっていきたいと思います。

 

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