部下を伸ばすコーチング
「命令型マネジメント」から「質問型マネジメント」へ
FUSE書評
第一章
答えのない時代のマネジメント
第二章
コーチングとは何か?
第三章
五つのコアスキル
第四章
コーチングは会社を元気にする
上司と部下の対話を事例形式に載せているので、社会人向けに書かれたものですが大学生にも分かりやすいと思います。FUSEでは、大学生の将来像を明確にするために使えないかと研究中です。(FUSE代表 依光 晃一郎)
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アマゾンのホームページから引用した書評です。
コーチングとは、相手の潜在能力を引き出し最大限に高めるコミュニケーション技術で、近年、欧米企業の間で新しいマネジメントの手法として注目を集めている。本書は、アメリカでコーチングを学び、CPPC(Certified Personal&Professional Coach)の資格を取得した著者が、その概念と実践テクニックを独自の視点を盛り込みながらわかりやすく紹介したものである。
本書の要点を整理すると、コーチングの主な目的は「自らの持つ可能性を最大限に発揮する」ことであり、上司にとっては、部下の可能性を最大限に引き出すことにある。この点で新味は感じられない。しかし、コーチングはその実践において、従来の上司と部下という関係をがらりと変えてしまう。それは「支配・従属的な人間関係」ではなく「協働的な人間関係」、つまりパートナーになるのだ。「答え」は上司が与えるものではなく、常に部下が自分の中にもっていて、上司は質問によってそれを引き出す役割しか持たない。経営者や上司は、部下がもつおのおのの「答え」に立脚するため、組織は社員一人一人に合わせた「ワン・ツー・ワン・マネジメント」になる、というのだ。これにより、指示待ち、依存型の部下は自立して、「自ら考え、自ら動く」人材に変わり、組織の活性化が図れるという。
本書では、答えのない時代に行き詰まる経営者、上司への処方箋として、コーチングの中核をなす5つの技術が紹介される。ただ、実践的なノウハウに重点を置いた書き方ではない。むしろ、原理的につきつめた部分を著者は強調する。たとえば、「部下を動かす」といった表現に象徴される上司の「操作主義」を、徹底してしりぞける点だ。確かに、経営者や上司がこうしたイデオロギーを改めない限り、コーチングは場当たり的なものに終わるだろう。その点で、コーチングの真髄と可能性を実感できる1冊だといえる。(棚上 勉)
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