「世に生を得るは事を成すにあリ」「竜馬がゆく」3巻 京の春 より
「藤兵衛、人間はなんのために生きちょるか知っちょるか」 と、竜馬は膳ごしにいった。 「事をなすためじゃ。ただし、事をなすにあたっては、人の真似をしちゃいかん」 世の既成概念をやぶる、というのが真の仕事というものである、と竜馬はいう。だから必要とあれば大名に無心をしてもよい。 竜馬自身がひそかに書きどどめた語録では、「世に生を得るは事を成すにあり」ということぱになっている。「人の跡(事績)を慕ったり人の真似をしたりするな。釈迦も孔子も、シナ歴朝の創業の帝王も、みな先例のない独創の道をあるいた」 「人の一生というのは、たかが五十年そこそこである。いったん志を抱げば、この志にむかって事が進捗(しんちょく)するような手段のみをとり、いやしくも弱気を発してはいけない。たとえその目的が成就できなくても、その目的への道中で死ぬぺきだ。生死は自然現象だからこれを計算に入れてはいけない」 右の意味は、竜馬の持論で、かれはつねづね友人に語っていたが、これを木ノ本の宿で藤兵衛にも語った。 ぶるっ、と藤兵衛の胴がふるえた。竜馬の眼にめずらしく鬼気がある。
FUSEが心から推薦する一冊です。 是非読んでみてください。
「竜馬がゆく」 |
依光感想 龍馬がなぜこのような意思を持ちえたか? 生まれつき? 教育?
人を動かす情熱はどうやって生まれるのか?
「やりたいことが見つからない。」
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