研修用台本 旧バージョン
コーチングっていう言葉を知っていましたか?コーチングって言うのは、今ビジネスの世界とかスポーツの世界で盛んに言われはじめたアメリカ生まれの概念です。もともとは、スポーツのコーチというとわかりやすいかもしれません。みなさん部活とかやってましたか?部活では顧問の先生が、いろいろと指導してくれたと思います。ではコーチというのはいましたか?コーチっていうのは、顧問の先生とは違って、いろいろな相談に乗ってくれたり、一緒になって練習に励んでくれた方だと思います。つまり指導ではなく一緒になって技術の向上に取り組んでくれる存在だと思います。コーチングというのは、パートナーだと言うことを覚えておいてください。 1.質問のスキル これは、相手にどのような質問をするかという「質問の仕方」に関する技術です。ここでは、どのような問いかけをすれば、相手の可能性を最大限に引き出せるかがポイントです。コーチングにおいて、「問い」のもつ意味はとても大きいものです。「質問の仕方」によって、相手の答え方が変わります。コーチングにおいては、相手になるべく多く話させるということに重点を置くことで、相手の考えをまとめることができます。質問の種類は6種類あります。 「拡大質問・特定質問」 答えが自動的に出てくるものが特定質問。自分の内面に問い掛けるのが拡大質問と思ってください。例えば、和食と洋食どちらが食べたい?って聞くのは特定質問で、今何が食べたい?っていうのは拡大質問になります。コーチングでは、この2つをバランス良く使うことで、相手の本音の部分に近づくことができるのです。拡大質問ばかりだと相手が「うーん」てうなることが多くなるし、特定質問ばかりだと本音にヒットしない可能性が高くなります。 「未来質問 過去質問」 未来質問というのは、これからどうしたいの?というもの過去質問というのはこれまではそうだったのというものです。ただ過去質問では、相手の失敗した体験にはあまり触れないような配慮が必要です。過去質問によって出てくるのは、記憶に基づくものです。過去の記憶がマイナスな未来イメージに繋がらないように気をつけてください。 「肯定質問 否定質問」 この項目では、ポジティブにいこうということを説明します。だれしも、「どうしてあなたは夢がはっきりしないの?」って聞かれるよりも、「あなたにはどんな夢があるの?」って聞かれる方が、意識的に前向きになります。「ない」という言葉を使わないようにしましょう。 2、傾聴のスキル 相手が心を開いて本音でしゃべるには、聞く側の態度が重要です。全身全霊をもって接することです。人と話しをする時に、自分の聞きたいことを自分のために聞く場合があります。就職採用面接官などがその代表です。そうではなく相手の為に話しを聞くという態度をとってください。私達は相手が答えを見つけやすいようにサポートするための存在であり、自分のものさしでなく相手のものさしで話を聴くというのが需要なのです。相手の身になって考えるのも必要だし、客観的に見るのも必要です。 3、直観のスキル コーチングというのが心理学から来ているということは前に説明しましたが、このスキルはまさに心理学の世界です。コーチングとは、相手が自分の深層心理に深く入りこんで何かに気付いてもらおうというものです。答えは自分の中にあるという哲学の通りです。 では相手の深層心理に一番近い私達の意識とは何でしょうか?これは心理学用語で「普遍的無意識」と呼ばれている部分です。直観と言い換えた方が分かりやすいと思います。私達が相手を見てあらかじめ気付いているものは顕在意識であり直観ではありません。コーチングでは、相手の深層心理に近づくために、こちらからは「考えない。予測しない。リードしない」ということが重要です。直観を使ったコーチングができているかどうか見分ける方法は簡単です。私達にとって参加者の答えが「意外」であったかどうかです。逆にいえば、予測できる答えしか返ってこないのであれば、直観のスキルがうまく使えていないのです。 それから、知ったかぶりも危険です。大学のことなど参加者よりも詳しい分野などがあると思いますが、素直に相手のことが分からないという前提で話をするようにしてみてください。そして私達が聞きたいことではなく、相手が聞いて欲しいことを聞くことが何よりも重要です。「あなたの夢はなんですか?」と聞いたときに、「あまりはっきりしてません」と答えが返ってきたとします。「じゃあこういうことをすれば。」というのはOKでしょうか。じつはダメです。リードしてしまっているからです。「じゃあ何かはっきりしていることはありますか?」「どこをはっきりさせたいの?」という質問をしてみてください。 4、自己管理のスキル これは相手にとって私達が信頼できる存在であるということを相手に知らせようとするものです。誰であっても自分の話を聞く気がない相手には本音で話すことはできません。相手の話を心から聴いているということを身体全体で示せることが重要です。ごく自然な表情や相手が話をしやすいような温かい眼差しを心がけてください。また姿勢も、相手が信頼できるものを心がけてください。 5、確認のスキル コーチングにおいて確認というのは、確かに認めるという意味で、相手本来の能力や可能性を認めるという意味です。自分で自分のことを認めるのは本当に難しいことです。表面的には元気でも心の底では自分の可能性を信じていない新入生は多いと思います。現在・過去についての可能性を信じてあげることが重要です。相手が今どういう状況にいるか明確にしてもらうことは重要です。夢に向かって今目標を立てているのか、夢を諦めているのか、夢が明確でないのかまず確認してください。過去の成功体験は今後の夢をイメージするのに役に立ちます。また今までの感動体験を思い出してもらうことも有効です。夢っていうと抽象的ですが、私達が少しでも過去・現在について整理してあげて、未来への夢を明確にしてもらいましょう。
|